ロダンといえば「考える人」です。今もロダン美術館の庭で何事かを考えておられます。考えることは人間の特権なわけですから、あ、犬でも多少考えてます。ご主人様はぼくを置いてお出かけかな、連れて行ってくれないかな、とか。やはり知性というのは「目」に現れます。犬でも「ぼく、考えてますから」という輝く目に会うことは珍しくありません・・・話が脱線しました。
ロダン美術館の庭には、恐らく考えているであろう人々が沢山おいでです。非常に知的な顔なのですね、ロダンの作品は。恐らく彼自身がとても知的であったのでしょう。緑の樹々の間に佇む人々の像はとても美しく、また厳格な顔であるのに親しみやすくもある、人間の核ともいうべき何かが感じられるからでしょうか。ロダンは優れた作家です。
ああ、足というのはこういうものなんだな、と改めて思わされた作品です。大地を踏みしめています。
そして、これも代表作として名高い「接吻」。人間の身体というのは美しい造形なのですね。たとえ理想的に創られているとしても、基本的に人間は美しいのだ、という思いで創作されたことが伺えます。
よく手入れされたフランス式庭園も作品のひとつでしょう。この庭があってこそ、彼の作品が一層映えます。